索引
- 一分子生命ビッグバン仮説の欠陥
- なぜ地球上の生命体は二種以上の有機分子から進化できなかったのか
- なぜ地球上の生命体は二個以上の有機分子から進化できなかったのか
- なぜ一分子生命ビッグバンではたった一つの有機分子しか自己複製ができなかったのか
- なぜ一分子生命ビッグバンは地球上で一回しか生じなかったのか
- 自然淘汰により現在の生命体系に収斂されたとする説はどうか
一分子生命ビッグバン仮説の欠陥
「一分子生命ビッグバン(Bigbang of Life from One Molecule )」の学説によると、地球に現存する生命の全ては、地球に最初に誕生した、たった一つの有機分子から進化したとされます。
このたった一つの有機分子は自己複製機能を有していました。
たった一つの有機分子から地球上の全ての生命は進化したから、理論上あったはずの多様性の要素が生命発生のスタート時点で全て排除されたと考えるのが一分子生命ビッグバン仮説です。
もちろん少しの例外はありますが、全ての自己複製可能な生命体から作られる地球上のタンパク質は、20種類のアミノ酸(一部は22種類 )からできています。
アミノ酸にはそれぞれ光学活性体が存在します。光学活性体とは、右手と左手の関係のように互いに鏡に映したときの鏡の中に現れる虚像と、鏡に映す前の別側の実像とが、一致するタイプの化合物のそれぞれをいいます。
右手型の光学活性体と左手型の光学活性体は、構造上互換性がありません。どのように回転、移動させても一方を他方に変換することができません。
光学活性体の場合、左手型のアミノ酸を右手型のアミノ酸に変換しようとすれば、構造を破壊して再構築する以外に手段はない、ということです。
ご自身の右手の手のひらと左手の手のひらを見てみてください。右手を左手に変換するのは簡単ではないことが分かるでしょう。
アミノ酸の中でもグリシンのように左手型と右手型の構造が一致するタイプのものもありますが、グリシンには光学活性がありません。光学活性体でないものを用いて光学活性体についての議論をしないように注意してくださいね。
さてアミノ酸にはそれぞれL体とD体の光学活性体が存在します。ここでは説明の便宜上、L体を左手型、D体を右手型と呼びます。
地球上の生命体に使われるタンパク質は、一部の例外を除き、L体、つまり左手型だけで構成されています。自己複製のメカニズムはDNA(一部はRNA )のたった一つのシステムに依存しています。そして自己複製に直接関与するDNAは右巻きのものだけです。
なぜ生命を形作るアミノ酸はL体だけなのか、なぜ地球上の生命体にDNA以外の自己複製システムがないのか、なぜDNAは右巻きなのか、という疑問に対して、一分子生命ビッグバン仮説は、「スタートがたった一つの自己複製可能な有機分子だったので、地球上のあらゆる生命体はこのたった一つの有機分子の性質を受け継いでいるから」、と説明します。
ところがこの一分子生命ビッグバン仮説には、大きな欠陥があるように思えます。
一つは、なぜたった一つの自己複製可能な有機分子からだけしか、地球上の生命体は進化を遂げられなかったのか、ということです。二つ以上の自己複製可能な有機分子から地球上の生命体が進化したシナリオがあってもよいのではないか、という意見に一分子生命ビッグバン仮説は答えていません。
もう一つは、地球上の生命は、本当に自己複製可能な、たった一つの有機分子により生じたのか、ということです。同時多発的、または時間軸をずらして多発的に発生した生命体もあったのではないか。この意見に一分子生命ビッグバン仮説は答えていません。
残る一つは、地球上の生命発生時点における初期のパラメータを厳密に規定することにより、仮に現在におけるアミノ酸の左手右手選択問題、自己複製のメカニズムがDNAの一種類しかない問題、自己複製に関与するDNAが右巻きである問題などの生物学上の難問に仮に答えられる案が存在したとしても、そのような厳密に規定したパラメータが、生命発生後の40億年間保持されたという証拠はあるのか、ということです。
要は地球上における生命発生時点で厳密にパラメータが規定されていたから現在の生命体系が形成されてきた(一分子生命ビッグバン仮説)のではなく、多種多様な生命体が地球上のあちらこちらで散発的に発生を繰り返した後に、互いに切磋琢磨しあいながら現在の体系に統合されて進化してきた(一分子生命ビッグバン否定説)と考えるのが自然、という意見です。
ところが一分子生命ビッグバン仮説は、これらの疑問の全てに対して回答を用意しています。
今回は、一分子生命ビッグバン仮説に対する疑問を徹底検証します。
なぜ地球上の生命体は二種以上の有機分子から進化できなかったのか
一分子ビッグバン仮説の主張は、地球上のあらゆる生命体の進化の樹形図は、たった一つしかない、という点に基づいています。地球上のあらゆる生命体について、過去に向かって進化の過程を樹形図に沿って辿っていくと、ついには一点に収束する、というのです。
この一点が、一分子ビッグバン仮説にいう、自己複製可能なたった一つの有機分子です。
なお、ここでいうたった一つ、というのは一種類とか一系統とかの意味ではありません。文字通り、ただの一個という意味です。
生命体が別システムにより同時発生すると互いに食い合いをして自滅する
一分子生命ビッグバン仮説によれば、地球上に最初に発生した自己複製可能な有機分子が登場する前に、この有機分子を地球上に送り出すきっかけになった代謝系がたった一つ存在したとされます。
この代謝系はMother Templateと呼ばれます。頭文字を略してMTとも呼ばれます。
このMTはたった一つしか存在しなかったから、MTから産生されるアミノ酸は、左手型か、右手型の必ず一方に決定されます。
もし二つ以上あったとしたら、確率論的に、右手型のアミノ酸が産生可能なテンプレートと、左手型のアミノ酸が産生可能なテンプレートが存在したはずです。
そうすると、最終的に産生されるアミノ酸の構造は左手型一方になるとは限らないことになります。
MTから産生されたアミノ酸が反応してタンパク質が形成される過程において、左手型アミノ酸にとって、右手型アミノ酸の存在は脅威になります。
左手型アミノ酸だけで形成されたタンパク質と、左手型アミノ酸に右手型アミノ酸が混入したアミノ酸から形成されたタンパク質とでは、最終的な立体構造が異なります。
右手型アミノ酸が混入した部分で、タンパク質の折れ曲がり構造が変化するから、です。
仮に原初生命体に関連するタンパク質を構成するアミノ酸が50個あった、としましょう。
この中に、左手型以外の右手型のアミノ酸が一個でも混入すると、50個のアミノ酸を連結してできあがるタンパク質の最終立体構造は異なるものになります。
タンパク質の機能は、最終立体構造が異なれば同じものではなくなるでしょう。
もし50個のアミノ酸からなるタンパク質に使用されたアミノ酸が、50%対50%ずつの左手型と右手型を含むアミノ酸であったとしたなら、その順列組み合わせは、2の50乗で軽く100兆を超えます。
つまり左手型か右手型かの選択をサイコロに委ねたとすると、たった50個のアミノ酸からできるタンパク質でさえ、100兆種類の異なる構造のタンパク質が産生される結果になってしまいます。
オール左手型のアミノ酸を使ったタンパク質が正常に機能すると仮定すると、自然発生的にタンパク質が生成したとしたなら、100兆分の一個しか、正常に機能するタンパク質が入手できないことになってしまいます。
ところが一分子生命ビッグバン仮説に従うなら、地球上に最初に登場した代謝系であるMTから産生されるアミノ酸は全て左手型ですから、そこで産生されるタンパク質の高次構造、つまり最終立体構造は全て同じになります。
最初から右手型と左手型とのタンパク質の最終立体構造の違いを心配する必要がありません。
仮に地球上で最初に生命が発生した現場で、左手型と右手型のアミノ酸を産生することのできる代謝系が同時に存在したとすると、それは大変なことになります。
左手型のアミノ酸に、一個でも右手型のアミノ酸が混入すると、最終生成物であるタンパク質の構造が違ったものになるため、正常に機能するタンパク質の入手が事実上不可能になるからです。
左手型のアミノ酸を産生することのできる代謝系の仕事をケーキ工場に例えると、大量に生産されてくるショートケーキの上に、砂をまくような行為をするのが右手型アミノ酸です。
一粒でもショートケーキの上に砂が降りかかると、そのショートケーキはもはや製品としては出荷できなくなります。
左手型のアミノ酸からタンパク質を産生する生命生産システムにとって、右手型のアミノ酸の存在は脅威です。まさに右手型アミノ酸の存在は生命生産システムキラーになります。
左手型アミノ酸生成系と、右手型アミノ酸生成系は、生命発生の現場において同時に同居することはできなかった。
仮に同居したとしたなら、正常に機能しないタンパク質のみが大量に産生されるばかりで、現状のような生命体系は、40億年の時間を経ても形成されなかったことでしょう。
なぜ地球上の生命体は二個以上の有機分子から進化できなかったのか
一分子生命ビッグバン仮説によれば、地球上のあらゆる生命体は、自己複製可能なたった一つの有機分子から進化したことになっています。
ただ、この仮説はなぜ二つ以上の有機分子により地球上の生命体は進化できなかったのかとの問題に答えていません。
なぜ地球上の生命の進化は、たった一つの自己複製可能な有機分子に託さなくてはならなかったのでしょうか。
同時に二個以上を生成できるシステムでは必ず問題が生じる
地球上に自己複製可能な有機分子を送り出した代謝系が、同時に二個以上の有機分子を生成することができる構造であったとしたなら問題が生じます。
そのような代謝系が生成される環境下であったなら、その代謝系の鏡像体が生成される可能性もまた、ゼロではないからです。
同時にたった一つの光学活性の有機分子しか生成することのできない代謝系であれば、その代謝系から生成される光学活性の有機分子は左手型か、右手型かが必ずどちらか一方に決定されます。
これに対して同時に二つ以上の光学活性の有機分子が生成される場合、それらの有機分子は左手型か右手型の一方に決定される要素がまったく存在しません。
そして一方に決定されなければ、右手型の光学活性を有する有機分子が、左手型の光学活性を有する有機分子に反応して、その生命活動への貢献を妨害します。そのことは上記のケーキ工場の例で理解できると思います。
なぜ一分子生命ビッグバンではたった一つの有機分子しか自己複製ができなかったのか
一分子生命ビッグバン仮説に対する最大の誤解は、現在の生命体系につながる自己複製可能な光学活性をもつ有機分子しか、自己複製をする有機分子はこれまで地球上に自然発生しなかったと受け取られる点にあります。
これは完全な誤解です。
一分子生命ビッグバン仮説にいう、自己複製可能な光学活性を持つたった一つの有機分子以外に、数多くの自己複製可能な有機分子が一度は生成した可能性が今後排除されることはないでしょう。
ただし、一分子生命ビッグバン仮説にいう、たった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子以外は、右手型・左手型の光学活性体が同時生成されるシステムであったため、最終的に生成されるタンパク質構造の順列組み合わせ数が指数関数的に膨大となり、結局、順調に機能するシステムを維持することができなくなった。
つまり、右手型・左手型の光学活性体が同時生成されるシステムの場合は自滅するシナリオを辿ることが避けられなかった、ということです。
極限まで反応スピードを低下させるため
実は、反応スピードの制御も一分子生命ビッグバン仮説では重視されています。
仮に地球上に最初に登場した代謝系であるMTが二個あれば単位時間当たりの反応スピードは2倍に、100兆個あれば反応スピ−ドは100兆倍になります。
例えば一カ所に大量にMTが存在したとすれば、MTの近傍にきた原料をあっという間に使い尽くしてしまいます。
このため例えばアミノ酸であるアラニンの原料となる物質がMTに接触した場合には、あっという間に原料の全てをアラニンに変換してしまいます。
そうすると、アラニン同士が結合したタンパク質しか生成されないことになってしまいます。
最初にアラニンの原料を食べ尽くしてしまうため、次回にアラニンが本当に必要になったときにアラニンを生成することができないのです。
これに対して一分子生命ビッグバン仮説は、MTは一個しかないのですから一度にアラニンの原料を食べ尽くしてしまうことができません。
次の原料がMTに接触するまではMTは活動を停止しますので、適度にシャッフルされた複数のアミノ酸を産生することができるのです。
アラニンの原料となる物質がたった一個のMTに接触すればアラニンが生成し、アルギニンの原料となる物質がたった一個のMTに接触すればアルギニンが生成します。
このように究極まで反応スピードを落とすことにより、適度にランダムに原料を使って多種のアミノ酸を生成することができたのです。
たった一個だけからスタートしたから、適度に左手型だけの複数種類のアミノ酸を産生することができました。こういった反応スピードの制御機能があったことを、一分子生命ビッグバン仮説なら説明することができます。
なぜ一分子生命ビッグバンは地球上で一回しか生じなかったのか
短時間で一気に一分子生命ビッグバン仮説にいう、たった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子が左手型のアミノ酸のデファクトスタンダードを取ってしまったからです。
たった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子は、MTと同じ左手型のアミノ酸の産生機能を有しています。
MTから生じたたった一つの自己複製可能な光学活性のある有機分子は、自己をコピーする機能を持っているのでコピーに次ぐコピーにより、指数関数的に爆発的にその数がねずみ算的に増えます。
そして一度増えてしまった自己複製可能な光学活性のある有機分子は、地球上に大量に左手型アミノ酸を提供したことでしょう。
後から生成した右手型アミノ酸を産生する自己複製システムは、既にデファクトスタンダードとなった左手型アミノ酸による自己複製の妨害行為を受けて自滅していく以外に選択肢はありませんでした。
一カ所で付いた火が、あっという間に地球全体に拡がるように、左手型アミノ酸による自己複製システムが地球上を席巻していきました。
自然淘汰により現在の生命体系に収斂されたとする説はどうか
地球上の生命体がランダムにあちらこちらで発生し、それが切磋琢磨することにより自然淘汰を経て現在の生命体系に統一されてきた、という考え方はどうでしょうか。
この自然淘汰により現行の生命体系が形作られてきた学説を、ここでは「一分子生命ビッグバン否定説」と呼びます。
ところがこの一分子生命ビッグバン否定説には大きな欠陥があります。
一分子生命ビッグバン否定説は、熱力学の第二法則に反する
多種多様な生命体が地球上に生まれた。あるものは絶滅し、あるものは別の生命体に吸収された。その結果、現在では全ての生命体に使われるアミノ酸は20個程度で、全て左手型に統一された。
またDNA以外にも多種多様な自己複製システムが存在したが、最終的にDNA(一部RNAが関与)のシステムに統一されてきた。
またDNAには右巻き、左巻きがあって、それぞれを使用した生命体がかつては地球上に存在したが、現在では自己複製に直接関与するDNAは右巻きのものに統一されてきた。
一分子生命ビッグバン仮説を受け入れていない方は、この一分子生命ビッグバン否定説を信じていると思います。
私からの疑問は、「それは本当ですか?」ということです。
先に説明しましたが、たった50個のアミノ酸からなるタンパク質でさえも、アミノ酸の左手型、右手型を確率論的に選択したと仮定するなら、その種類は100兆個を超えます。
100兆分の一の確率の壁を超えてたった一つのタンパク質が自然選択で選ばれたと、あなたは主張するのでしょうか。
しかもタンパク質に使用されるアミノ酸は50個とは限らないです。それ以外にもそれ以上のアミノ酸が使用される例はあり、その全てについて、左手型のアミノ酸だけを使用する確率を考えてみてください。
どんなメカニズムが働けば、現行の左手型アミノ酸だけに統一されるというのでしょうか。
確率論的に選択されて、現行の左手型アミノ酸のみを使ったタンパク質が形成されてきたとすれば、おそらく地球上のあらゆる原料をタンパク質に回したとしても、現行の生命体は形成されることはなかったでしょう。
そのランダムさをもった確率論的システムが、現行の左手型アミノ酸のみで形成される体系に統一されるというのは、明らかに熱力学の第二法則に反しています。
ランダムであった体系が、統一モデルに収斂したのではありません。
最初から高度にパラメータが統一されていたから、現行のモデルが説明できるのです。
ちなみに、右手アミノ酸のみを使ったタンパク質のみで形成された生命体が地球上に存在した証拠はこれまで確認できていません。
DNA以外の自己複製システムも地球上では観察されていません。
左巻きのDNAのみを持つ生命体が自己複製をしている証拠も現在の地球上では観測されません。
存在しないというばかりではなく、その痕跡すら残っていないのです。
なぜその痕跡すら現時点で確認することができないのですか?
それは一分子生命ビッグバン否定説が根本的に間違っているからに他なりません。
私は一分子生命ビッグバン否定説を支持する人たちに、その説が、どのように熱力学第二法則と矛盾無く存在することができるのか説明してほしいと思っています。
ファーイースト国際特許事務所
所長弁理士 平野 泰弘
03-6667-0247
鏡像体を生成する #代謝系 を一個だけ中空体に押し込んで
その中空体そのものを #自己複製 すれば #鏡像体 の一方だけが生成しますただ作られる中空体は一つではないです
種々のパターンの中空体が多数生成します
それぞれの中空体には存在時期、場所の
環境依存があります#一分子生命ビッグバン— 平野泰弘@生命誕生時の謎、それAIで。鍵開け専門業者(23区対応) (@yasuhiro_hr) August 23, 2020
#自己複製 により最初の1個が完コピ増殖します
50回の複製で1000兆(2の50乗)
100回の複製で10の30乗(宇宙全体の星数超え)…増えすぎて手が付けられなくなります
地球は
最初の一個の中空体に由来する
左手右手が全部同じで、
種類と数が一致する#鏡像体 だらけになります#一分子生命ビッグバン— 平野泰弘@生命誕生時の謎、それAIで。鍵開け専門業者(23区対応) (@yasuhiro_hr) August 23, 2020
なぜ #地球で生命の誕生は一回しか起こらなかった のかも簡単ですよね?
最初に #自己複製 を始めた
たった一つによる #鏡像体 群がまるで #ジグソーパズル 作成中の他の人の上から
段ボール箱一杯の別のピースをぶちまける様に他のシーケンスを破壊して制圧するからです#一分子生命ビッグバン
— 平野泰弘@生命誕生時の謎をAIで。鍵開け専門業者(23区対応) (@yasuhiro_hr) August 28, 2020