初めに
近年、深海探査技術が急速に進み、これまで見たこともないような海洋生物が次々と発見されています。
ところがこの深海海洋生物に、新種が見つからないのです。もちろん亜種や突然変異種は見つかっています。これらの生物の特徴の変化は全て地球上に生命が発生した後に、後発的に生じたものです。観測された生物の基本的な特徴は、事前に予想できる範囲内なのです。この事実をあなたはどう評価しますか?
索引
深海海洋生物に新種は見つからないことは簡単に予測できる
深海潜水探査船の性能が進歩した結果、以前では見ることができなかった深海にいる海洋生物の実態が近年次々と明るみに出てくるようになっています。
オトヒメハマグリ科シマイシロウリガイ、ハオリムシ(羽織虫)とも呼ばれるチューブワーム (tubeworm)、鉄と有機物のうろこで装甲した巻貝(ウロコフネタマガイ)、80°Cの高温に耐えるポンペイワーム(Alvinella Pompeiana)等の不思議な深海生物を直接観ることができるようになっています。
すごい技術の進歩ですね。光が全く届かず、かつ栄養分もほとんどないとも思えた海の深海の一角に、このような形態の深海生物が群をなして生活しているなんて、誰が予測していたことでしょう。
ただ、一分子生命ビッグバン説の立場に立つと、これらの見慣れない深海海洋生物が本来備えているはずの基本的な特徴は、あらかじめ予測できます。