生命誕生はRNAワールドでは説明できない

索引

  1. 初めに
  2. セントラルドグマはRNAワールドを指向する
  3. タンパク質を合成するリボソームはタンパク質を使ってできている
  4. RNAもDNAもアミノ酸を学習する機能がない
  5. RNAもDNAもアミノ酸の左手と右手を区別できない
  6. まとめ

初めに

生命誕生の一つの説明としてRNAワールド仮説があります。地球に最初にRNAが登場して、そのRNAの働きにより生命が誕生してきた、とする説がRNAワールド仮説であるなら、その説には明らかな矛盾があります。現代においてRNAワールド仮説は取り上げるに足る学説の域には達していないと思われます。

これまで説明してきた通り、生命誕生の有力な仮説の一つに、「一分子生命ビッグバン(Bigbang of Life from One Molecule )」の学説があります。この仮説は、光学活性を持つ自己複製可能な、たった一つの有機分子から地球上のあらゆる生命体が進化したことを仮定します。

地球上の生命体や、生命に関係する全ての物質は、たった一つの有機分子に由来する、というのです。

この仮説を受け入れさえすれば、これまで全く歯が立たなかった生命の不思議な性質を鮮やかに解き明かすことができます。

今回も、一分子生命ビッグバン仮説との対比で、RNAワールド仮説を比較しながら、生命誕生の謎に迫ります。

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